俺様魔王の甘い口づけ




「ルイ!」



アンリが叫ぶ。
その先には、ルイが武装した格好で立っていた。



「アンリ・・・っ、芽衣子!」




ルイは、私の姿をとらえると、血相を変える。
そのことに、アンリはさらに怒りをため込む。
私の腕を掴む手に力が込められた。




「ルイ・・・」




ルイの言うとおりだ。
私は、足手まとい。


こうやって、人質になってルイを苦しめる。




「アンリ!芽衣子を離せ!」

「いやよ!この人間がいるから、ルイはアンリから離れるんでしょう!?」

「芽衣子は関係ない!もともとお前に愛なんてなかった!」




ルイが伸ばす手。
その手は、なにも掴めない。



その手が、私に届くことはない。