皆、皆そうやって・・・。
「アンリ!放して!どうして、こんな!」
「煩い!こうなったら、いい。あんたを、ルイの前で殺してやる!そうすれば、ルイだって、諦めがつくはずよ!」
アンリはそう言って私を抱き抱えるとそのまま飛び立った。
私をルイのもとに連れていくつもりなんだ。
ルイの目の前で、私を殺すの?
そんな事・・・。
「やめて!殺すなら、ここで殺せばいいでしょう!」
「黙れ!そんなことしたって、ルイの心は変わらない!」
ルイの心を向けさせようと必死。
そんなことしたって、ルイの心なんて手に入らないのに。
方法を、間違ってる。
でも、そんな私の声なんてアンリには届かない。
私たちはどんどん上昇し、城の中腹辺りまで上り詰める。


