俺様魔王の甘い口づけ




「魔術師に会うのは、さすがのルイさまでも・・・」

「煩い。俺に指図するな」



ルイは、ハンスを切り捨てると自分の部屋に戻りマントを羽織る。
そして、城の外へと向かった。



魔術師は、その魔術だけでいえば魔王よりも秀でた魔術の持ち主だ。
そのため、ルイであってももし魔術師の反撃を受ければその命は危うい。


今までの魔王も、魔術師とは深くかかわることをせず。
その存在を黙認してきた。




「ルイ!」




ここのところ、姿を消していたキイ。
そんなキイがルイを見つけ駆け寄ってくる。




「これ」

「なんだ」

「これを身に着けていれば、魔術師の結界は通用しない」

「・・・そうか。感謝する」

「どういたしまして。気を付けてね。くれぐれも、契約なんて交わしちゃだめだからな」

「わかっている」




ルイはキイに渡された水晶玉をポケットにしまいこむ。
そして、キイに小さく頷いて見せると馬に乗り込み出発した。