「ん・・・」




ルイの牙が身体から抜かれる時の痛みには、いまだに慣れない。
そして、そのあとのルイの少し悲しそうな表情にも。



きっと以前の彼なら、人の血を吸ったからといってそんな表情など浮かべなかっただろう。
心を開いてくれつつある今だからこそ。

その心に想う所があるのだろう。





「芽衣子・・・」

「うん?」

「この気持ちを何と呼ぶのだ?」

「え・・・?」




この気持ち?
それって、どういうこと?




「この前、芽衣子がいなくなったときには・・・胸が騒いで苦しくなった」

「ル、ルイ・・・?」

「芽衣子が側にいると、身体が熱くなるのだ」




真っ直ぐ、私の目を見据えるルイ。
それは、本当に純粋な質問のようで・・・。