馬車を止めてあった、ジインさんの小屋の側まで戻ってきた。
馬車はまだそこにある。

よかった、待っていてくれたんだ。




「あの、お待たせしました。待っててくれてありが・・・」




小走りで向かって、待っていてくれたであろう悪魔の後姿に声をかけた。
でも、振り向いたその悪魔は、馬車を運転してくれていた悪魔ではなかった。





「ルイ・・・?」





そう、ルイだったのだ。
なんでルイがここにいるの?



確かに、ルイはどんな力なのかわからないけど、他の人の行動がよくわかっている様だったけど。
でも、ルイは魔王の仕事で忙しく出ていたはずだ。
それなのに、その仕事も放ってきたというの?



「ルイ、どうして?魔王の仕事は・・・?」

「・・・そんなもの、どうでもよいわ」





ルイは、そう呟くと勢いよく私の腕を引き寄せた。
強い力で抱きしめられた体。





「ルイ・・・痛いよ・・・」