「そなたは、深く考えることなく、咄嗟にそれを受け入れた。それで、私はこの契約を交わすことを決めたのだ」
「どうして・・・?」
「そなたの気持ちが本当だとわかったからね」
私の気持ち・・・。
「ルイさまを助けたいというそなたの気持ち。それが本当だからこそ、深く考えずに咄嗟にその答えを出したのだろう。そのそなたに、力を貸してみたくなったのだよ」
「そうですか・・・」
「だが、契約は契約。そなたの心臓は、必ず貰い受けるぞ」
「はい」
どんな形で取られるのかはわからないけど、痛くなければそれでいいや。
無理やり奪われるわけではないようだし。
死んだあとって、普通にいけば何十年も先の事だ。
「じゃあ、教えてくれるんですね?」
「魔王の呪いを解くには、この薬を飲ませることさ」
「薬・・・」
魔術師が取り出したのは、小さな小瓶に入ったブルーの液体。
なんだか、得体のしれないそれが不気味に感じた。


