「それが契約の証」
「契約の証?」
「そなたの命が尽きた時には、その心臓をいただく。その契約さ」
「心臓を・・・」
死んだあとでも、なんだか気分のいいものではないわね。
でも、すぐに死ぬわけじゃなかったんだ。
ホッと肩を下ろした。
「本当に、今命を奪うとでも?」
「だ、だって・・・。それくらい大事な情報なのかと思ったし・・・」
「そなたの、その気持ちに負けたのだ」
「え?」
魔術師は、深く椅子に座り直しながらそう話した。
「本当は、そんな方法教えるつもりもなかったのだ。だから、少し意地悪をして試させてもらった」
「試したんですか!?」
「自分の命可愛さに、目の前にある情報を逃すかどうか・・・」
試されてたんだ。
でも私、そんな深く考えてなかった。
自分が死ぬとか、そういう事ちゃんと考えずに答えていたと思う。
それでも、よかったのかな。


