「芽衣子ッ!」
木を見上げたままボーっとしていると突然名前を呼ばれた。
そのまま視線をそちらに向けると、そこには息を切らせたルイの姿。
「あ、ルイ」
にっこり笑ってルイに手を振る。
ルイは私の姿をじっと見つめ、勢いよく駆け寄ると私の身体を抱きしめた。
「えっ?」
突然の事に固まる。
ル、ルイ・・・?
強い力で抱きしめられている私。
聞こえるのは、木々のざわめきと、押し付けられた胸から聞こえるルイの鼓動。
「ルイ・・・?」
「・・・部屋に行ったらいなかったから・・・心配した」
そう言って、一層強く抱きしめられる。
心配、してくれてたんだね。
私はそっとルイの背中に手を回した。


