「ルイは化け物なんかじゃないし!私はあんたの妃でもなんでもない!勝手なこと言わないで!」

「・・・そなたが、父が言っていた我が妃か!」

「だから!人の話聞きなさいよ!」



私を見て、感動の声を上げるリュークにさらにイライラが募る。
というか、よく知らない人を自分の妃だとか言えるわね。




「我が父の目は確かであった!この俺に怯まずぶつかってこれるその度胸!気に入った!必ずお前を我妻にする!」

「は、はあ?」




なんでそうなるわけ!?
ルイは、大きなため息を吐いている。





「今日は引き返そう。だが、必ず貰い受けに来るぞ!」

「だから、断るって言ってるでしょ!」

「そなたも、すぐに俺がいいというようになる。そんな化け物の側なんかよりもな」




あざ笑うかのような声。
リュークはそう言って踵を返すと従者を連れて出て行ってしまった。




「な、なんだったの・・・」




静かになった城の中。





「バカが」




ルイがそう呟いて私をすり抜けて階段を上がっていく。