今していることって、現実的じゃない。
今しか見てなかったんだって気づいた。
これから先ずっと、私の血をルイにあげていく。
そんなこと、できないかもしれないんだ。
「私の考えって、甘かったんだね」
「どうした」
「…皆が幸せでいられる方法ってないのかな」
人間も、悪魔も。
魔王であるルイも。
皆が苦しまなくて済む方法。
それがあったら苦労しないのに。
「芽衣子がそんなことを考える必要はない」
「なんで?」
「芽衣子は、異世界から来たのだろう?ハンスが言っておった」
「そうだけど…」
「これは、俺たちの世界の問題。芽衣子が頭を悩ませる必要はない」
ルイはそうはっきりと断言した。
それは、突き放されたみたいで悲しい。
確かに、ルイの言ってることはわかる。
私の世界じゃないんだもん。
でも、私だって今ここで生きてるのに。


