俺様魔王の甘い口づけ




私が笑っていること。
それが、ルイにしてあげられること…?

そんなことでいいんだろうか。



そう言えば、ルイに対して笑ったことってあっただろうか。
数えるほどもないかもしれない。

だって、ルイは恐怖の対象で大っ嫌いな相手だったんだから。
ルイも言っていた、ハンスには笑うのにって。



ルイは、私に笑ってほしいのかな?
そう思うと無性にドキドキした。





笑ってルイが喜ぶのなら、いくらでも笑う。
でも、それじゃあダメなんだろう。


心からの笑顔じゃないと、心は動かない。
それくらいわかるよ。




でも、今なら。
今のルイとなら、私は笑える気がするんだ。





「その笑顔です」





いつの間にか私は笑っていたらしい。
ハンスは頷いてそう言った。





「ありがとう」





笑顔は、誰かの心を救ってくれる。
それはどの世界でも共通なのかもしれないね。