魔界の王と人間界の王って、仲悪いんだろうか。
まぁ、いいはずなんてきっとないだろうけど。



「…もしかして、中で起きてた変なことってルイのせい?」

「それ以外になにがあるというのだ」

「…そっか」


別に、助けてくれようとしたわけではないんだろうけど。
その言葉の通り、非常食を王様に奪われそうになるのを防ぎたかっただけなんだろう。




というか…。
私、ルイにお姫様抱っこされて空を飛んでいる。
きっと普通ならドキドキする状況なんだろうけど…。



「ちょちょっと…、怖いんだけど!」




上空何十メートルなんだろう、そんな高さを結構な速さで飛んでいる。
ここから落ちたらきっとひとたまりもないだろう。
しかも、それを支えているのはルイだ。
信用ならない…。




「煩い。黙っていろ」

「黙っていられるか!落ちたら死んじゃうのよ!」

「当然だろう」




シレッとそう言うルイは、本当にうるさそうにじとっとした視線を向ける。
私は、怖さのあまりルイの首に回した手にぎゅっと力を込め抱きついた。