俺様魔王の甘い口づけ




「たとえそうだとしても、あの魔王が人間をあの城に置くこと自体があり得ぬこと…。そなたは、秘めたる力があるに相違ない」

「え、いや…まさか…」



ただの普通の女子高生ですけど。
この世界の人間ならまだしも、そんなファンタジーとかに無縁の世界の住民ですから。
そんなことを言っても、信じてもらえないんだろうけど。
この世界の王様は、人の話を聞こうとしない人が多いのだろうか。



「そなたこそ、我が息子の相手にはふさわしい!ぜひとも、我が息子である、王子と婚姻を結んでくれ」

「…はい?」




王子と婚姻?
け、結婚ってこと!?
いやいや、どうしてそうなるわけ?




「城に部屋も設けさせよう。今すぐにでも、この城へ来てほしいと思っておる。どうだ、悪い話ではないだろう」

「ちょっと待ってください!そんな、会ったこともない人と結婚だなんて…」

「王子は、容姿も端麗頭脳明晰、申し分ない王子に育てておる。きっと気に入るであろう」

「いやいや、その王子様の気持ちだって…」

「そなたのその容姿、少しがさつな所は目を瞑るとして、王子のタイプに相違ない。王子も必ず気に入るだろう」





このままじゃ、私強引に結婚させられちゃう!
王子と結婚?
私、お姫様ってこと?

いやいやいや、ありえないから!


そんなタイプじゃありませんって!