「......」
「 .......」
(き、きまずい...)

ついてきてくれと言われるがままについてきたはいいが、気まずすぎる。

ちなみにいまはエレベーターの中だ。
(この学校こんなもんまでついてるのかよ...)

いよいよ、自分の場違いさに嫌になる。

(と、とにかく何か喋らないと ..)
「あ、あの~」

「....なに、」
「あ、いや、ええと、有り難うございます。わざわざ案内してもらっちゃって、俺一宮斗真って言います!一年生です!」

「....ん、」

ぇぇええええ?!
ん。て、ん。って!!
それで終わりかよ!!

何かこうさ、無いのかな?この流れだと自己紹介の流れだよね?!

「...誠」
「へ?」
急すぎて、情けない声が出てしまう。
「安堂誠。アンドウマコト。2年。」
「え?あ、はい!先輩でしたか!!よろしくお願いします!」

いやいやいや。なにがはい!だよ!
なんで返事してんだよ俺は!
いきなりすぎる自己紹介に対しての自分の答えに一人でツッコミを入れているとエレベーターが止まった。
「...いくぞ。」

「は、はい!」

スタスタとエレベーターを降りていく誠。

斗真はそのあとを早足で追いかけた。