「俺、凛華にずっと甘えてた

あの頃。他の男に笑いかけるお前を

許してやれないちっせぇ男で


それでもすっげぇ好きだった

3年経ったけど。情けねぇけど

今も好き


知らない奴と、結婚なんかすんな」





何でこの人はいつも


こんなに真っ直ぐなの




『なんでそれを、』



「お前の幼なじみに聞いた

3年間、ずっと凛華の様子教えてもらってた


泣きながらヘタレって言われた

いい加減男見せろって


お前も、お前の周りも強ぇよな。

俺、1人で被害者ぶってた


それでも今、胸張って言える。

凛華がすき」





『…ッ』


「他の野郎と一緒になんかなんな


俺がどんな金持ちより、イケメンより、


凛華のこと幸せにしてやっから

凛華の未来、俺にくれ



俺がこれから働いて、稼いで

支えられる準備ができたら

俺の嫁さんになって下さい」


『―…ッ』

気づけば波翔は涙が止まってて

“男”の顔になっていた


「凛華、お前は昔から真っ直ぐだった

行動が、言葉が通ってて


それでもな、1個だけ間違ってるよ


“好き”からだろ。愛から始まんだよ。

“好き”って気持ちが最初になきゃ
幸せに繋がんねぇよ

幸せじゃなきゃ意味ねぇだろうがよ」


そしていつのまにか

何年も流れる事のなかった涙が、あたしの目から

こぼれた