サクセサーズ

「リリィ。準備はいいか」



「う、うん」




準備を一通り終えて、リリィ達はキーラの家に戻ろうとした時、辺りに悲鳴が響き渡った。




「ああああぁあぁあああ!!」




声の先を見ると、全身から血を流して倒れている人がいた。



「一体誰が」



一瞬リリィより早く辺りを見回したアレン。先方に黒い影が見えた。それもかなりの数。あの時襲いかかってきた奴らと同じ気配を感じた。




「嗅ぎつけてきたのか…リリィ!早く婆さん達に知らせないと」




「でも、このまま放っておいたらどんどん人が…し、死んじゃう。助けなきゃ」




「くそ。俺が引き止める。だからお前は…」


二人が言い争いをしている間に、ジルが颯爽と現れ、手には剣が握られていた。



「あたしが食い止める。アレンも手伝って頂戴。リリィはケガ人の手当てを」



そういうと黒い影の群れに突っ込んで行った。それにアレンも続き、リリィも後を追った。