サクセサーズ

「俺は、継承者でも何でもないのになぜ襲われたのだろうか…」



アレンはふと疑問に思った。ジルやリリィのようにチカラを持っていないにも関わらず自分は襲われた。


「たまたまあなたを見つけたからでしょう。あいつらは自我を持たない。見つけたら手当たり次第に人々を襲うはず。


基本的に、教会とか星の加護を受けている施設がある町には入って来れないから野宿は避けた方がいいわ」







アレンは襲われた時のことを思い出した。その時は真夜中だった為視界が悪かったが、おどろおどろしい気配を感じた。


呻き声が聞こえてきて突然鋭い爪で腕を引き裂かれたのだ。今までに味わったことのない痛みだった。


腕の傷口から糸を引くように血が流れ、アレンは剣を引き抜いた。動きは鈍いから、面白いくらいによく斬れる。


黒い血飛沫が辺りに霧のように飛んだ。