サクセサーズ

ムシャクシャしたのかアレンは服の袖をたくし上げて、気を紛らわした。


露わになった白く細い腕には、今までになかった黒い発疹が現れていた。



「っ…何だこれは!」



あまりの気色悪さに、アレンは思わず声をあげた。少しずつ、発疹が広がっている。見ているだけでもグロテスクだ。



ジルは発疹を見るとすぐにポケットから液体の入った小瓶を取り出し、腕に塗りつけた。そして、声を荒げた。





「ちょ、ちょっとアレン。あなた、闇の魔法にやられたの!?


このままこれを放っておくと、体が真っ黒になって、いずれ心を奪われる。


とにかく、これを塗りなさい。発疹が出てるところに」




アレンはすかさず、発疹が出ている所に液体を塗りたくった。しばらくすると、発疹はみるみるなくなって、嘘みたいに綺麗になった。




「あの時、襲って来た奴らは闇の魔法で強くなった奴だったのか?暗くて、よく見えなかったが…」




「一族の生き残ったみんなもこんな症状だった。もう手遅れなくらい真っ黒で。聖水だって効き目がなかったわ。



あなたを襲ったヤツは、多分闇の継承者から力をもらった者達でしょう。そうだという確証はないけど…。



とにかく、見つけたのが早くてよかった」




ジルはほっと胸を撫で下ろした。