サクセサーズ

「じゃあ、わたしお風呂に入ってくるね…」


そっとベッドから立ち上がると、リリィは立ち去った。



ぽつんと残された男二人。照れているアレンを見てジルはすぐ泣きやんでニヤつき、肘でアレンをどついた。



「まさか惚れちゃってるの?意外にあなたも隅に置けないわね」



アレンは顔を真っ赤にして椅子に座り込んだ。頭を下げて顔が見えないようにして喋った。



「違う…それは断じて違う。あいつはケガをした俺を助けてくれた。ただ、それだけだ」



「あんな可愛い子滅多にいないわよ。眉毛はちょっと情けないけど、よく見れば可愛い顔してるし、何より守ってあげたくなる…そんな気はしない?」



「な、何言ってるんだ!俺は…」



言いかけたアレンの話をジルは遮って、肩をぽんぽんと叩いて笑った。



「くすくす…わかりやすい人。一目惚れね。どうなるか期待してるわよ」




話を遮られたことと、ジルに図星をつかれたことによって、アレンのイライラはつのるばかりであった。