サクセサーズ

「じ、ジル。顔をあげて。わ、わたしはや、役立たずかもしれない。けれど、頑張るから。だからお願い…泣かないで。


アレン。なんだかごめんなさい。た、大変なことになっちゃって。い、嫌ならもう…ここで別れても」



答えを聞いたジルはありがとうとリリィの手を握り、アレンは不満そうに腕を組んでリリィに言った。




「誰が別れるとでも?こんなひ弱そうな奴だけがリリィと一緒だと心配だ。


どうせ俺は行くあてもないからついて行く。もしかしたら、力を引き継ぐことができるかもしれないし」




前半はジルに対する皮肉だったが、後半は意外な言葉が返って来た。ぶっきらぼうな言葉だったが、リリィは優しさを感じ取れた。



リリィはぱあっと顔を明るくして、にこりとほほ笑んだ。ぎこちない笑い方ではあったが、その笑顔は可愛らしい人形のようであった。


「ありがと…アレン」



「お、おう…」



そう言うと、アレンはそっぽを向いた。
照れ隠しのつもりだろうか。