サクセサーズ

「おい、リリィ。しっかりしろ」


身体を揺さぶられてリリィは目を覚ました。そこは王の間の前の扉。銀世界はそこにはもうなかった。近くにはアレンの顔があった。心配そうにこちらを見ている。



「あ、あれ…。寝てたみたい」



えへへとぎこちなく笑って見せると、彼は心配して損したとため息をついた。何を聞かれたのとアレンに聞くと、何事もなかったかのような顔をした。



「俺はこう見えても本を読むのが好きでな。それで色々培ってきた知識があるんだ。暗い所でよく読んでたから目はあまり良くないんだが…」



「そ、そのことを王様と話してたの？」



そうだ、とアレンは言った。



「まあ、教養があるなって言われたけどそれほどでもないみたいなことを言っておいた」



「そ、そうなんだ…」



リリィはアレンの話していることが本当かウソなのかわからなかった。表情が変わらないから真相はわからないまま。


行こうと促されるまま、王宮内に用意された寝室へと向かう。王が滞在中は使っててもいいとのことだ。