サクセサーズ

リリィはすぐに家を出る準備を始めた。最低限の生活必需品だけを持って、お気に入りのリボンと同じ色のワンピースを着た。素材も丈夫で動きやすい。




その中でリリィはふと思った。自分はおかしいのではないかと。なぜ自分は今日初めて出会った人にいきなり旅の同行をしたいと申し出たのか。それはあまりにも不躾ではないのかと。




「きっと、あ、アレンなら大丈夫…信用できると思ってる…大丈夫だよね。うん」



初めて見たときには怪我をしていたが、それでも綺麗で優しい人だと思った。


喋るときもそっけない言動が多いけれども、人を気遣っている感じが見受けられる。



村の青年に全く好意を持たなかったのに、どうしてこんなに気になってるんだろう。



「い、けない。な、なんでこんなことを考えているのかな」



あの時抱きかかえられて来たことを思い出して、再び顔が紅潮する。




再び準備を始めていると、シャワーを浴び終わったアレンがリリィの方に向かって来た。