サクセサーズ

「オラァ!」


戦士のマジードが振り回した斧がアレンの肩を斬り裂くと、ドクドクと傷口から鮮血が流れ出す。



そうだとしても、アレンは微塵も痛みと恐怖を感じなかった。寧ろ、もっと気が立って闘争本能は振り切れるくらいに上がっていた。あの時のように恐怖を感じない。大分、俺は重症のようだなと思い剣を握りしめて立つ。



「…俺も本気でいかれてきたみたいだ。こんなに深く斬られたのに、全く痛みを感じない。俺は馬鹿だな」



「何ゴチャゴチャ言ってんだ!」




マジードの振り回す斧を怪我を負っていながらもひょいひょいと避ける。さっきより身体が軽くなったのか、動きが素早い。一つ一つの動きがスローモーションに見える。