サクセサーズ

アレンと幹部の一人の戦いは白熱したものになっていた。一方が攻撃をかければ一方は避け攻撃をしかけるの繰り返し。


体格と力の差では幹部の方が一歩上手だが、身のこなしはアレンの方が上だ。そのおかげで戦いはどっちつかずの状況になっていた。



キィンキィンと金属の当たる音が辺りに響く。



リリィはその様を固唾を飲んで見守っていた。アレンが楽そうに戦っている。何故だかはわからないけれど、本当にそうなってしまうのかと思った。



しかし、突っ立ってこれを見ている場合ではなかった。突然ヒュンヒュンと黒い矢が再びリリィめがけて飛んできた。魔法を唱える暇もなく、その場にしゃがみこんで矢を避けた。


リリィが顔を上げると、そこには少女が立っていた。頭はすっぽりフードを被り全身はローブで包まれている。年齢はまだ11、12くらいだろうか。