サクセサーズ

足元が若干ふらふらしていたが、リリィはなんとか自分家にたどり着いた。中にアレンを案内して、自分はベッドに倒れこんだ。


久しぶりに魔法を使ったとはいえ、こんなに疲れてしまうなんて。ああ、なんてわたしは弱いのだろうと、自己嫌悪に陥っていた。


「次誰かを助けるときに魔法を使って倒れちゃったらどうしよう…!あああ!神様わたしはどうしたら!!」


ぐしゃぐしゃとブロンドの髪を掻き毟る。三つ編みはほどけそうになり、リリィはやつれた顔でため息をつく。


そんなリリィを見てアレンは困った顔をして彼女の隣に座った。


「おい…大丈夫か」


「きゃっ!ご、ごめんなさい!見苦しい所をみせちゃって。わたし、ほんと愚図だからアレンにも迷惑かけちゃうし…ああ、ほんとにどうしようどうしよう…」


「……」


今話しかけて色々騒がれても面倒だな。アレンはそう考えてだんまりを決め込もうとしたそのとき。


リリィが落ち着きを取り戻したのか恐る恐るアレンに問いかけたのだった。