サクセサーズ

二人がお礼を言うと、護衛の者は敬礼をしてラクダを率いて元来た道を戻り始めた。二人は砂漠を歩き始めた。



砂に埋まる足が重く、暑さで体力が奪われて行く。用意しておいた水は限りある物であるから大切に飲まなければならない。パーズに着いたとしても、革命軍が蔓延る所では買えないかもしれないからだ。



リリィは見えない目的地を目指して必死に歩いた。しかし、アレンの方が体力的にも上。どうしても歩くのに差がついてしまう。



「リリィ。背中に乗れ」



何度も何度もアレンに乗せて行ってもらっている気がしてならない。しかし、今のリリィの足取りでは夜になってしまう。体感した砂漠の夜は想像以上に厳しいものであった。なるべく日が落ちる前に目的地に着きたい。