サクセサーズ

リリィは杖を握りしめて魔法を唱えた。
ターゲットは目の前にいるアレン。


「星と光の精霊よ!悪しき者に光の裁きを与えよ!ジャッジメント・アロー!」



何十本もの矢がアレン目掛けて飛ぶ。わずかではあるが、矢の速さが確実に上がっている。



「…来るか」



アレンはその場から素早く離れる。リリィはすかさず逃げたアレンを指し示すと矢は正確かつ速さを上げて彼を追跡する。



「く…ッ」



避けたものの一本の矢が腕を掠め、血が流れた。そこまで傷は深くはないものの流れる血の量は多い。



「あ、アレン!ご、ごめんなさい」



すかさず駆け寄ってリリィは袖を捲りピュアと魔法を唱えた。傷口はすぐに塞がったものの、わなわなと震える彼を見て怒っていると感じ取れた。