サクセサーズ

その様子を若者は上空で眺めていた。彼は謎の大きな鳥のような怪物の背中に乗りながら。



もう素顔ではなく、いつもの青いターバンを巻いていた。風は強く、思わず身体ごと吹き飛ばされてしまいそうだ。



「ダメだあいつなあんも話さない。おれのこと勘付いてたな。結構頭の切れるヤツや…」



ブツブツと若者…もといルーカスは独り言を呟いた。すると、鳥らしき怪物が口を開いて話す。



「お兄さんはかなり頭イイよ。ああ見えて、ご身分の高い人なのかもね。周りの人とフンイキ違うもん」




「ルキもそう思うん？おれも思うわぁ。大人びてるけど、なんだかんだ言ってガキンチョなヤツやけどなぁ」



ルーカスの意味深な言葉にルキと呼ばれた怪物は首を横に捻った。お兄さんが子供？どうして？



「そんなことはまあええわ。はよう帰って対策を練らんとな。女の子はこっちと同じように術が使える。ルキ、寒いけれどもうひとっ飛びしてくれな」




砂漠は冷たい風が吹き抜けて、空には満点の星が輝く。その中を颯爽と猛スピードで怪物は飛び抜けていった。