サクセサーズ

鞘から引き抜いて、砥石で研ぎ始める。
研ぎながら悶々と色んな考えがよぎる。



星達はどうしてか弱いこの女にこんな辛い試練を与えるのだろうか。人が死ぬ所なんて、この女には耐えられないことだろう。広いこの世界を旅しろだなんて無理にも程がある。




親殺し…禁忌を犯した馬鹿な俺が全てを代わってやりたいくらいだ。実際俺も、継承者の一人に選ばれているからにはこいつを助けていかなければならないのだが。




どんな風にしろ、星達は残酷だ。本当に俺たちを見守って導いてくれる存在なのか。考えただけで阿呆らしい…俺は神様とかそういうのものは信じない奴なんだ。





砥石が完全に擦り減って使えなくなるまで、黙々と研ぎ続けた。