サクセサーズ

「おい」


泣きじゃくるリリィにアレンが話しかけた。リリィがふっと目を向けるとそこにはアレンの姿があった。目を吊り上げている所からすると、怒っているのだろう。




「いつまでも泣くな。卑屈になるな。これから先は長いし、死と隣り合わせなんだぞ。いつまでも一人の死に突っかかっていたんじゃ、お前が命を落とす羽目になる」





アレンの言うことは最もだ。叱責したのもめそめそしているリリィを見て腹が立ったのだろう。




さっきまで邪な感情を抱いていたのに、酷い言葉をかけてしまったと言った後に後悔をした。



申し訳なさそうにアレンも背を向けるようにベッドに座って、再び剣の手入れを始めた。