サクセサーズ

「俺はそんな淫らなことをする輩とは違うし、断じてそんなことをリリィにするわけはない…って」




ブツブツ呟きながら砥石で剣を研ぎ始める。



「わ、わたしに何かするって…?」



目線を向かい側のリリィの方に向けると彼女は眠そうではあったが起きていた。
反応からしてアレンの話は聞かれていただろう。



さっきのルキのように目を逸らす。



「いや、何でもない…何でもないから。俺の方を見ないでくれ…」



真っ赤になった顔を隠すのに精一杯だった。