サクセサーズ

あのガキ、どうも怪しい。探るような感じの話し方といい、表情といい。あまり関わらない方がよさそうだとアレンは思った。



コップを片付けるのなら行く先は厨房で間違いない。ルキの消えた後をこっそりとつけていく。耳がいいから遠くにいないと聞こえてしまうだろう。



廊下の角を曲がると、小さな厨房が見えた。すぐ中には簡易な水道があるのだが、そこでルキはコップを洗っていた。



「…別に問題はないか」




片し終わった後厨房からこちらに向かって来たので見つかるとまずい。アレンはひとまず自室に戻ることにした。




戻るアレンの背中を見送っていたのはルキ張本人だった。何か悪いことを企んでいるような表情をしてニヤリと笑った。


そして、再び誰もいない静かな厨房へと戻っていった。