リリィは全く少年を警戒しておらず、いつもの感じで答えた。


「こ、これから宮殿へ行くの。ファラオに会いに」




少年はふぅんと興味ありげに呟いてリリィに話しかけた。




「そうなんだ。病気だから直接会えるかはわからないけど、今のファラオは優しい人だからきっと中へは入れてくれるはずだよ。


夜は危険だから、早く帰ってきた方がいいと思うよ。盗賊たちがうろうろしてるから」




また少年はにこにこと笑って手を振り、リリィたちを送った。