着替えも終わり、二人は宮殿へ行くために部屋を後にした。受付ではあどけなさの残る少年が座っていた。さっきいた若者はどこにいったのだろうか。




ダークブラウンの豊かな髪と、鮮やかな黄緑色のつり目の瞳。尖った耳とゆらゆらと揺れる竜のような尻尾に、背中に生える小さな羽。不思議な雰囲気の少年だった。



「お客さん、どこへ行くの?」




にこにこしながら少年は答えた。その笑顔は純粋な笑顔と言うより、何か企んでいるような感じがしてならない。