「そ、そうだぞ?だいたい、もう来てるなら下の奴らが知らせに来るって!」
将騎も乾いた笑いを見せながら
どこか動揺した様に言う
私が無表情のまま皆の目を見れば
不安と焦りの色が見て取れた
今の私の態度と言動
きっと皆心の何処かで
私が氷月なのだと気が付いた筈だ
でも信じられないのと
信じたくないそんな思いから
無意識のうちに気付いていない
振りをしている
皆に私の全てを話す事
それが良い選択なのか
悪い選択なのかなんて
今の私には分からない
「もう、来てるよ。本当は皆も、気が付いたんでしょう?」
私は鮎の少し高めの声でもない
闇月の低めの声でもない
その間の、本来の私自身の声であり
氷月としての声色で問いかけた