「氷月…」


どれくらい経っただろう

後ろから静かな
しかし、良く響く声が聞こえた

私はゆっくりと躊躇いがちに
後ろを見れば真剣な表情をした
彼らが居た

皆それぞれがボロボロで
弦の頬にはナイフで切られた
傷に血が滲んでいる

そんな皆の姿に私の胸は
キュッと痛んだ


私はゆっくりと弦に向かって歩く

誰も言葉を発さない

私は弦の前に立つと弦に向かって
手を伸ばした

だが、一瞬身構えた弦に
私の手もピクリと止まった