「弦っ….。クッ!!」 さっきまで掠れて声が出なかった 私の口から言葉が漏れる スッと立ち上がった私の表情は フードに隠れて見えないだろう 「…止まれ」 私の眼下に広がる全ての動きが止まる まるで時が止まったかのようだ 銅像の様に固まった彼らは 驚きで声も出ない 私は橘の方に手を伸ばす 私の手と橘の姿が重なったその時 橘の握るナイフが私の手の中に 吸い寄せられるように収まった