永遠の君に

「わかるか?」

「そりゃ、もう」

私は少しためらったが、
「さっき若いファンの子に会ったんだ」
と、自慢するように言った。

「若いファン?

いくつなんですか?」

「さあ、それはわからない」

もったいぶるように私は答える。

「かわいかったですか?

その子」

「なかなかの美人だよ」

自然と顔がにやけてきた。

今思うと、私は優衣に恋をしていたのかも知れない。

しかし、その時の私は朝香との結婚が頭にいっぱいで、全く気づいていなかった。

そして、私がこれから大きな罪を犯してしまうことにも。