永遠の君に

その通りだと、私は言いたかった。

私が優衣と同じ立場なら、きっと同じことを言っていた。

まだ本当かどうかはわからないが、私たちは心の底から命の誕生を祝っていた。

優衣のお腹に宿った大事な命。

私たちは抱き合いながら、泣きじゃくっていた。


翌日の夜。

私は仕事にケリをつけ、早く帰ってきていた。

優衣は今日産婦人科に行って、確かめてくるとのこと。

私は時計を見ながら、リビングとキッチンの間を行ったり来たりしていた。

苛立ちと不安が、私の躰を支配しているような気がした。

とにかく、私は優衣の帰りを待った。

「ただいま」

優衣が帰ってきた。

リビングに優衣が入ってきた。

私は優衣に歩み寄ると、
「何だって?」
と、聞いた。

優衣は自分の爪先を見ると、
「………です」
と、小さな声で言った。

「え?」

私は聞き返す。

「……妊娠、してなかったです」

私は優衣のマネをするように、自分の爪先を見ると
「……そうか」
と、呟いた。

ホッとしたような、少し複雑なような、そんな感じだった。