永遠の君に

指で拭ったクリームを、優衣は口に入れた。

丁寧に自分の指を舐める優衣。

その仕草から、私の目が離れられなくなった。

「何ですか?」

優衣が言った。

「……いや、何も」

ごまかすように、私は微笑んだ。


すっかり日が暮れ、周りが暗くなった頃、私たちは観覧車に乗った。

少しずつ上るたびに見えてくるイルミネーションのような夜景。

「キレー…」

私の横に座っている優衣が言う。

私も景色に目をやりながら同じことを思っていた。

ゆっくりとした動きの中で頂上についた時、優衣が私の手をとり、握った。

優衣と視線がぶつかる。

スローモーションのように、私たちの距離が縮まる。

その距離がゼロになった時、私たちの唇が重なっていた。


観覧車を降りた私たちは園内を出た。

手を繋いで歩きながら駐車場へ向かう。

「今日は楽しかったですね」

優衣が言った。

「そうだな。

楽しかったよ」

私も言った。