永遠の君に

誰かに手を握られた。

優衣だった。

子供のような満面の笑顔を浮かべた。

「行きましょうか」

私の返事も聞かず、優衣が手を引いた。

私は引っ張られるように、園内に入った。

いつかみたいだと思いながら――。


私と優衣は童心に返ったかのように楽しんだ。

絶叫マシーンに乗ったり、お化け屋敷に入ったり、普通の恋人同士がしそうなことを、私たちは楽しんだ。

こんな気持ちになったのは、何年ぶりだろう。

「楽しいですね」

ソフトクリームを口にしながら、優衣が言った。

私もソフトクリームの甘さを舌に感じながら微笑んだ。

周りの目から見ると、私たちはどんな風に見えるのだろう?

血の繋がった父娘?

それとも、年の差ありの恋人同士か。

どっちにしろ、周りの目に私たちはそう見えている。

「誠司さん、クリームが」

優衣に言われ、私は頬に手をやる。

「反対です」

優衣が反対側の頬に手を伸ばす。