私以外の男に触れないように、全て彼女に刻んだ。

優衣と唇を重ねようとした時、
「ただいまー」

朝香の声が聞こえた。

私たちは躰を離すと、さっきまでやっていた作業に戻った。

朝香がリビングに入ってきた。

「お帰り」

優衣が笑顔で迎えた。


夜中。

私は目を覚ました。

と言っても、喉の渇きを覚えて。

隣で眠っている朝香を起こさないように、私は忍び足で寝室を出た。

キッチンで水を飲みながら、私は思っていた。

――欲張りにさせたのは…誠司さんでしょ……?

私はリビングに目をやる。

優衣を初めて抱いた、あの場所。

彼女を抱いたあの日から、欲張りにさせたのだと思う。

躰を奪ったこの場所で。

あの日以来から、私は何度も優衣の躰を奪った。

そのせいで、彼女は欲張りになった。

楽器のような、やらしい躰になった。

私が与える刺激に、簡単に感じてしまう敏感な躰に。

私が彼女を変えた――そう思うと、私の手からコップが離れそうになった。