永遠の君に

「素敵な演奏でした」

アルトの声で、優衣が言った。

「ありがとう」

私は微笑む。

「あの、サインをお願いしても、いいですか?」

恥ずかしそうに頬を紅くしながら、優衣が言った。

「いいよ」

私が言うと、優衣は持っていたサイン帳とマジックインキを渡してくれた。

私はサイン帳を開けた。

それには、たくさんの有名人のサインが書かれていた。

あまりの数の多さに、びっくりした。

驚きながらも、白紙のページを見つけると、サインを書いた。

「はい」

「ありがとうございます」

差し出したサイン帳を、優衣は嬉しそうに受け取った。