優衣の心臓の鼓動が聞こえた。

激しくて、早い脈のリズム。

「すごい心臓の音…」

私の耳元で、優衣が言った。

ささやかれたみたいで、ちょっとドキッとした。

「また、早くなった…」

見透かされたようで、恥ずかしかった。

私の心臓も、優衣と同じリズムを刻んでいる――それだけは、はっきりと理解できる。

「優衣」

名前を呼び、唇を重ねる。

何度もキスをする。

何度も強く抱き締め合う。

何度も繋がり合う。

確かめて、愛し合って、繋がって――このまま、私たち2人を乗せているベッドが壊れるのではないかと思った。

「愛してる…」

優衣の耳にその言葉を告げ、唇を交わした。

これから先の出来事を、何も知らないまま――。