空白を埋め合うように、私たちは何度もキスをした。

触れるだけ、舌を入れ合ったりと。

何回目のキスだったのだろう。

唇を離した。

唇と唇の間に、糸が引いていた。

優衣が抱き締めてきた。

「逢いたかったです…」

彼女が言った。

「…私も、だ」

抱き締め返しながら、私は言った。

先にベッドへと押し倒したのは、一体どっちだったのか。

気がつけば、私たちはベッドの上にいた。

2人分の体重が乗っている分、ベッドは深く沈んでいた。

私の下に、優衣がいた。

本当に、私の目の前に。

優衣と見つめ合い、キスをする。

「――んんっ…」

優衣の手が、私のジャケットに触れた。

「――ッ…。

ちょっと、待って」

唇を離し、優衣と見つめ合った。

「その前に、シャワーを浴びないか?」

私は言った。

何故こんなマヌケなことを言ったのか、自分でもよくわからなかった。

多分、汗ばんで疲れた躰を癒したいのと、心の準備の必要性で言ったのかも知れない。