電話が切れた。

私は電源を切ると、それをベッドの上に投げた。

寝転んだ。

見慣れない白い天井が視界に現れた。

それを見ながら、私は優衣を思っていた。

――触れたい…。

今すぐお前のところへ行って、抱き締めたい。

抱き締めて、キスをして、肌に触れて……。

そう思いながら、シーツをつかんだ。

優衣。

お前は、何を思っているんだ?

私は……逢いたいんだ。

“育てる”なんて、私にはできない。

声を聞くだけでは、私の気持ちは簡単に満たされない。

優、衣。

唇だけ動かし、彼女の名を呼ぶ。

声に出してしまうと、また気持ちが上がってきそうだった。

気がつけば、私は眠りについていた。

大人1人では大き過ぎるベッドの上で、いつもよりも深い眠りに。