永遠の君に

「でも、君塚さん年の割りには若く見えるからいいじゃないですか?」

君のプラス思考過ぎる発想には負けたよ。

「君塚さん、出番です」

スタッフが私の楽屋に顔を出した。

私はテーブルの上に置いてあったトランペットを手に持った。

「頑張ってください」

佐々木の声援に返事をすると、私は楽屋を後にした。


演奏を終え、楽屋に戻ってきた私を待ってくれていたのは、1人の少女だった。

この少女が朝香の娘・優衣(ユエ)だった。

これが、私と彼女の最初の出会いだった。

一度も染めたことがないようなショートカットの黒髪に、白い肌、紅い唇――とても美しかった。

優衣はピンクのドレスで、私の楽屋の前にいた。

彼女は私の姿を見ると、軽く一礼した。

私も軽く一礼した。