「おはようございます」

佐々木に声をかけられた。

「おはよう」

私は返した。

審査員控え室までの道のりを、私と佐々木は話をした。

「今年はどうだ?」

「大変な粒揃いでございます」

「そうか」

佐々木と話をしていても、私は優衣を思っていた。

彼女は、どうしているのだろう?

今朝、裸のままの彼女をベッドに残し、出発したのだ。

この時間帯にもなれば、そろそろ目覚めているはずだ。

そう考えていたのと同時に、昨日の情事が頭の中で鮮やかに浮かびあがった。

ベッドの上で絡まり合い、乱れ合った昨夜。

朝香の帰りに怯えながら、私たちはベッドの上で夜を過ごした。

「…さん。

君塚さん」

佐々木の声で現実に引き戻された。

いつの間にか、控え室の前にいた。