「その娘が私みたいなおじさんを見て、何と思うかだよ」

私は佐々木に言った。

「会ったことがないんですか?

娘さんに」

「話を聞いただけで、会ってはない」

私は言った。

朝香から話を聞いた程度で、顔は知らない。

本当に娘と会うのは、3日後の結婚式だ。

私みたいなおじさんが父親だと知ると、その娘はきっと驚くだろう。

「でも、いいんじゃないですか?」

佐々木が言った。

「何が?」

私は聞き返す。

「君塚さんみたいな若くてかっこいい人が父親だったら、きっと喜びますよ。

その娘」

笑顔で言う佐々木。

「あのな〜、10代の子からして見れば37は立派なおじさんだぞ?」