しかし、言ってしまったらバレてしまう。

私が優衣を好きなことが。

そして、佐々木を傷つけてしまう。

「それで、何ですか?」

「いや、何も。

ただ何となく」

そう答えた私に佐々木は眉をひそめると、元の作業に戻った。

そのまま適当に眉をひそめてくれと、私は思った。

傷つくのも、傷つけられるのも、私1人で充分だ。

お前はお前で眉をひそめながら、スケジュールの確認でもしていてくれ。


その日の夜も、私は優衣と2人だけで夕食を済ませた。

週に3日の割合だが、私は真っ直ぐと家に帰るようになっていた。

しかし、その3日は朝香がいなかった。

優衣によると、最近仕事が忙しいとのこと。

何をやってるんだか。